たくさんある中からひとつを選ぶ時、何を一番に考えますか?
デザイン?
色?
値段?
おふとんの様に長期間使うものの場合、また購入者がご自身でない(ご両親からのギフト等)場合、
このあたりが曖昧になるように思います。
曖昧なので、10年後20年後トラブルが出てきた場合、『なんで!?』の思いが強くなるような気がします。
購入された時、その品物の弱点についても説明をされていたと思うのですが、
なんせ年月が経っているので、覚えておられない。
そこで、他に同じ症状の人はいないかとネット検索をされるのですが・・・。
同じものを同じ期間使っていても、そのものの姿は千差万別、人それぞれ。
また、問題が起きた方はネット上に書き込みをされるかもしれませんが、
問題の起きていない方は、 “問題なし” と書き込みをされるのかどうか・・・どうでしょうか。
さあ、購入されたお店・専門店に質問をしましょう。
現状をどうクリアしようか、更に、今後そうならない様にするにはどうすればよいか、アドバイスをもらえると思います。
今日は、お仕立て直しの為にお預かりした羽毛ふとんのお話です。
“バチスト”を側生地に用いた、大変上質な羽毛ふとん。
ご結婚の時、ご両親が購入されたものだそうです。
弱点を言えば、バチストゆえ羽毛のふき出しが起きやすい、という点。
細い糸で織った、とても軽くて柔らかでしなやかな肌ざわりである半面、
横糸と縦糸がかわりばんこに交差している為、どうしても羽毛のふき出しが起こりやすいのです。
そうならないように、
・丁寧に扱う(踏んづけたり引張ったりしない)
・干す時にカバーをつけたままにする(カバーを付けない状態で紫外線に当てない)
等など、気をつけて取扱いをする必要がありますが、あまり注意されてはいなかったというお話でした。
さらには、これにつけておられたカバーとの兼ね合いがありました。
カバーの内側に特殊な生地が貼ってあり、羽毛ふとんの生地と摩擦を起こしてズレを防ぐという仕組みでした。
通常ならば8か所おふとんとカバーをひもで繋いで使いますが、確かに面倒くさい。
それを回避できるカバーが販売されているのですね。驚きました。
しかしながら使い勝手はいまひとつだった為、ご自身で羽毛ふとんにボタンを縫いつけ、カバーをずれないように
工夫されていたのです。これがまた良くなかった。
羽毛ふとんに針は禁物です。
針が通過した穴から、どんどん羽毛が出てきてしまいます。
今回の羽毛ふとんの場合、元来の生地の特性+針仕事=羽毛の猛烈なふきだし、となった訳ですね。
今回は早めにご相談頂けましたので、お仕立て直しができました。
上質でご両親からの贈り物ですから、これからまた十数年間具合良くお使いになれるのは、
本当によかったと思います。
ぜひぜひ、買ってからの使い勝手も考えて、ご購入を決めて頂きたい、と思います。
そして販売する私たちも、ちゃんとお伝えしていく、その大切さを改めて感じた次第です。
コメントをお書きください