羽毛ふとん初め

8月末におばあちゃん・娘さん・お孫さんの3世代オーダー枕をお作りしたご家族が、

羽毛ふとんを作りたいと再来店くださいました。

 

おばあちゃんは、軽すぎるのが頼りない気がして、今までは綿の掛け布団をお使いでした。

厚手のパジャマに、スースーするからと肩当ても着て、毎冬モコモコになって肩こりに悩みながら眠っておられたそうです。

お孫さんが小さい頃、よく嘔吐したり鼻血を出したりして寝具が汚れたので、“すぐ買い替えられる価格帯のもの”という基準でおふとんは選んできた、というのが娘さんのお話でした。

羽毛ふとんへ替えるタイミングは、すっかり寒くなってからではなく、秋口がよいですよとお話していましたので、本当にその時期にご来店下さったのです。

 

なぜ今の時期がよいか?

羽毛ふとんに頼りないイメージをお持ちの方は、完全に寒くなってからだと、重さを必須としてしまうからです。

睡眠は習慣性の強いもので、長年の習慣や癖はわりと根強い。

だから『こんなに寒いのに、こんなに軽いふとんでいける筈がない』となってしまうのです。

 

一方、さほど寒くない時期に使い始めを持ってくると・・・

重くなければならないという思い込みがないので、『案外いける。あれ、これはぬくい♪』 と順応がしやすいのです。

 

どうしても羽毛ふとんでないといけない、訳ではありません。

しかし体調の変化で重いおふとんが辛くなった・・・とか、収納が小さくなってカサの高いおふとんだと仕舞えない・・・とか、羽毛ふとんを使うことで問題が解消されたりもするのです。

渋々ではなくスッと移行するには、今がギリギリの季節です。

 

前述のご家族には、側生地は共通で、羽毛の充填量を違えて2種類3枚、お作りすることになりました。

ご自身をふとんに合わせるのではなく、ふとんをご自身に合わせる。

長く使うものには、そんなもの選びがよいのではないでしょうか。